スマートフォンもテレビも、電子レンジも、時刻は数字で表示されます。家にアナログ時計がないご家庭も珍しくありません。そんな環境で育った子が、デジタル表示なら読めるのに、針の時計になると困ってしまうのは自然なことです。
けれど、学校の教室にはたいていアナログ時計がかかっていますし、算数の教科書やテストに出てくる時計も針のある時計です。デジタルが読めることを手がかりに、アナログ時計の読み方を教える方法をまとめます。
アナログが読めると何がよいか
デジタル表示は「いま何時何分か」を正確に伝えてくれます。一方でアナログ時計には、デジタルにはない強みがあります。
- 残りの時間が目で見える:「長い針が12まで来たら出発」なら、あとどれくらいかが針と12のあいだの広さで分かります。
- 時間の流れが感じられる:針が動いた道のりが、そのまま過ぎた時間です。2年生で学ぶ「時刻と時間」の考え方とも重なります。
- ちょうど・半・15分などのまとまりがつかみやすい:「4時25分」と数字で見るより、「もうすぐ半」と形で捉えやすくなります。
デジタルの「4:25」とアナログを並べる
デジタルが読める子には、その力を手がかりにできます。デジタル表示とアナログ時計を並べて、同じ時刻を見比べてみます。
- デジタルの「4:25」を見せて読んでもらう。「4時25分」
- 「:」の左の4が短い針、右の25が長い針だと伝える
- アナログ時計を4時25分に合わせて、2つを並べる
- 「短い針は4と5のあいだ」「長い針は5のところ」と、どこが同じ情報なのかを指さして確かめる
ここで子どもが引っかかりやすいのは、長い針が「5」を指しているのに25分になることです。デジタルの25と、文字盤の5がどうつながるのか。その答えが「数字1つ分で5分」というしくみです。
分の数字を書きこむ
デジタルに慣れている子は、数字を見れば分かるという感覚を持っています。それならば、アナログ時計にも分の数字を書いてしまいます。
紙の時計や、本物の時計のふちにマスキングテープを貼って、外側に「0、5、10、15…55」と書きこみます。こうすると、長い針の先にある数字を読めば、デジタルと同じ「25」が見えるようになります。
数字を書くときは、時の数字とは色を変えておくと、短い針用と長い針用の区別がつきやすくなります。書きこみ方のくわしい手順は「長い針の「5・10・15…」が分からない子への教え方」でも紹介しています。
少しずつ外す
書きこみがあるうちは、子どもはそれを見て読んでいます。最終的には書きこみなしで読めるようにしたいので、慣れてきたら少しずつ外していきます。
| 段階 | 残す書きこみ | 目安 |
|---|---|---|
| 1 | 0〜55 すべて | 書きこみを見て、迷わず読める |
| 2 | 15・30・45 だけ | あいだの数を自分で5とびで出せる |
| 3 | 30 だけ | 「半」を手がかりに前後を数えられる |
| 4 | なし | 書きこみなしで、数秒で読める |
途中で読めなくなったら、前の段階に戻してかまいません。デジタルに頼りたくなる気持ちが出てきたら、「答え合わせだけデジタルで見ようか」と、使う順番を決めておくのも1つの方法です。先に針で考え、あとから数字で確かめる。この順番なら、デジタル表示を答え合わせに使ってもかまいません。
家にアナログ時計がない場合は、まず1つ用意して、デジタル表示の時計のすぐ横に置いてみてください。目に入るたびに2つを見比べられるので、改まって練習する時間をとらなくても、針の位置と数字の対応にふれる回数が増えます。
数字で時刻が分かっているということは、時刻という考え方はもう身についているということです。あとは、その数字を針の位置と結びつけます。
5分きざみの練習には、無料ゲーム「とけいの ほしあつめ」の「5ふん」コースが使えます。練習モードでは、文字盤の外に分の数が表示されます。
文:こたえや編集部
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